独立行政法人 労働者健康安全機構広島産業保健
総合支援センター


治療と仕事の両立支援

治療と仕事の両立を考えるセミナー

セミナー概要・目的

治療と仕事の両立支援を行う上で必要な知識を増やし、関係機関との連携や支援方法を理解するため、様々な分野の内容で開催し、治療と仕事の両立支援の取組みの普及啓発及び県内の連携体制の構築を目指しています。

各領域の専門家の先生に講師をお願いし、参加者みなさんで検討できるようディスカッションも取り入れながら開催しています。

令和5年度

令和5年11月9日

広島県若年性認知症サポートルームと共催で、若年性認知症の治療と仕事の両立支援の研修会をハイブリッド形式で開催し、会場、Web合せて86名と多くの方にご参加いただきました。

職員の不調に早期に対応でき、認知症と診断された後も可能な限り適切な時期まで働き続けることができることができる職場づくりを目指して学びました。

第1部は「若年性認知症当事者の就労継続支援」と題して、当事者の方を雇用していらっしゃる認知症対応型共同生活介護の事業場代表者の方にご講演いただきました。

当事者の方を取り巻く環境をどのように整えていったか、就労を継続しているうちに生じる困り事をどのように解決して取り組んだかなど、貴重な体験をお話しいただきました。

第2部は、認知症サポート医の先生に、「若年性認知症の基本的疾患の理解」と題して講演いただきました。

若年性認知症について専門的な症状などをお話しいただき、疾患への理解を深めていきました。

第3部は、当センター産業保健相談員 真鍋 憲幸より、「産業医としての関わり」と題して講演いただきました。

事例をあげ、産業医として当事者や事業場との関わり方や、安全配慮、合理的配慮、その他の配慮について詳しく説明いただきました。

参加者からは、「若年性認知症に対する理解が深まり、産業医としての対応方法を知ることができた」「就労における支援の視点について多くの気づきをもらった」との感想をいただきました。

令和5年7月6日

職場における女性の健康課題は、個人差も大きく女性自身も対処法がわからないなど、課題も多岐にわたっており、また企業においても、女性特有の健康課題に対する取り組みは進んでいるが、女性自身や周囲の知識不足により制度の利用が進まない現状です。

女性特有の健康課題は、もはや女性だけの問題ではなく、社会がその解決策を担う取り組むべきこととして少しずつ進んできており、健康経営の一環として企業内で取り組む動きも出てきています。

このような実態を踏まえ、女性特有の健康課題を理解し、女性も男性も働きやすい職場づくりに向けて、「働く女性特有の健康課題と仕事との両立」をテーマに研修会を開催しました。

第1部は、広島県内産婦人科医師の方に、「働く女性特有の健康課題と職場環境を考える」と題して講演いただきました。

講演では、女性の健康支援のメリットを説明していただき、その後、各ライフステージにおける女性特有の健康課題について詳しくお話しいただきました。

第2部は、産業保健相談員 松本 直子が「女性ホルモンと体のトリセツ~運動療法を用いたセルフケアを学ぶ~」と題して講演しました。

実際に運動をする体験を交えながら、セルフケアを学んでいきました。

ハイブリッド形式開催で、対面・Web合せて61名の方に参加していただき、「わかりやすかった」「実際に身体を動かし、よくわかった」などの感想をいただきました。

令和4年度

第6回:令和4年12月16日

ハローワークの統括職業指導官の方に講師をお願いし、産業保健相談員 大塚文がナビゲーターで「障害者雇用を考える~つなぐ立場から~」の演題で講演いただき、その後ディスカッションを行いました。Web形式で開催し、7名に参加していただきました。

発達障害の方の支援事例を中心に、求人の際の支援、受入れ企業への支援、定着の支援について具体的に丁寧にお話しいただきました。

定着支援については、困難事例や上手くいっている事例について、どのようにサポートしていったかを説明いただきました。

講演後は、事前質問への回答、その場での質疑応答、感想などディスカッションを行いました。

参加者からは、「事例が分かり易く、日常の活動が目に見えるようだった。」「特性にあった仕事、プロセスを追う、丁寧な説明とフォローの重要性を再確認した。」などの感想をいただきました。

第5回:令和4年11月18日

言語聴覚士の資格をお持ちの大学教授の方を講師に迎え、産業保健相談員 大塚文がナビゲーターとなり、「高次脳機能障害者の治療と仕事の両立支援」をテーマに講演と事例検討をWebにて行い、17名に参加していただきました。

講師の講演「高次脳機能障害者の就労支援における療法士の奮闘~点と点を線につなぐ草の根支援の実際~」では、医療機関での取組み、地域での支援などをお話しいただきました。

講演の合間に、多職種で構成したグループでディスカッションを行い、高次脳機能障害の方の事例について理解を深めていきました。

検討のテーマ①「情報収集を含め、どのようなサポートを開始するか」②「せっかく看護学校に入ったのに、継続が難しい状況である。次にどのようなサポートをするか。」③「両立支援で重要なこと、問題となりやすいことは何か。」についてグループワークを行いました。

グルーワーク後に講師が行ってきた支援内容を説明し、それぞれがどのようにサポートしていくと良いか考えていきました。

参加者からは、「具体的な事例で理解しやすかった。」「高次脳機能障害の方の就労支援に対して、地域の関係者との連携を模索していきたい」との感想をいただきました。

第4回:令和4年10月14日

令和2年5月に第4次少子化社会対策大綱、全世代型社会保障改革の方針が政府より打ち出され、また令和4年4月にライフステージに応じた女性の健康推進策として不妊予防パッケージが出されました。その事から、「働く女性の健康課題を把握し、女性が活躍できる職場環境づくりについて学ぶ」をテーマに3部構成で、産業保健相談員 大塚文に全体のナビゲーターをお願いし、Web形式で開催し、32名に参加していただきました。

第1部は、広島県で不妊治療の第一人者でいらっしゃる先生から「最新不妊治療の実際」を講演いただきました。「不妊症とは?」「不妊症の検査・治療」などについて、分かり易く説明してくださいました。

第2部は、産業保健相談員 松本直子が、「女性の健康リテラシーの向上に向けて~知っておきたいセルフケアから運動療法まで~」の演題で講演いたしました。

大人の女性の健康課題について、実際の運動を体験しながら考えていきました。

第3部は、産業保健専門職 寺村清美が、「不妊治療を受けながら働き続けられる職場づくりのために」を講演しました。

第1部の医療的な講演、第2部の運動の重要性を踏まえ、不妊治療と仕事の両立の諸問題について、事例を交え企業に求められることを考えていきました。

参加者からは、「不妊治療に関して、治療をしている社員から聞くことができないので、現状を知ることができて良かった。」「健康リテラシーの実践方法が具体的で良かった。」「不妊治療と仕事の両立支援の内容について、人事担当者と共有して、環境作りに役立てたい。」との感想をいただきました。

第3回:令和4年9月14日

Web形式で、「メンタル不調者の疾患理解と支援方法を理解する」をテーマに、独立行政法人高齢・障害・求職者支援機構 広島支部 広島障害者職業センター 主任障害者職業カウンセラーの方から講演をいただきました。産業保健相談員 大塚文がナビゲーターとなり、16名で事例検討を行いました。

講演では、施設紹介、職場復帰支援(リワーク支援)紹介、ジョブコーチ紹介等の説明をいただきました。

その後、うつ病を発症し、休職復職を繰り返している事例について、3つのグループに分かれ検討しました。

検討テーマは、①「現状を正確に把握するために、それぞれが受け取った事実を整理してみる」②「メンタル不調を抱えている社員が事業所に伝えたいことは何か」

グループは、医療職、企業人事労務担当者、その他支援者で構成し、活発な意見交換がなされました。各グループの発表を行い、講師より専門家としてコメントをいただきました。

参加者からは、「精神疾患に関する支援の知識が増えた。」「他職種の方々の受止めや分析などを共有することで、また違った視点での捉え方ができ、とても新鮮だった。」との感想をいただきました。

第2回:令和4年8月11日

「若年性認知症の理解と両立支援~従業員やその家族が「若年性認知症」と診断されたら?~」をテーマに3部構成で開催しました。産業保健相談員 大塚文がナビゲーターを務め、ハイブリッド形式で、会場15名、Web 66名と多くの方に参加していただきました。

第1部は、当事者である丹野智文さんに、「当事者の声を聞こう『若年性認知症と共に生きる』」の演題で講演いただきました。若年性認知症とどう向き合っているか、また勤務している企業のサポート体制についてなど、詳しく実例を挙げて丁寧にお話しいただきました。

第2部は、産業保健専門職 寺村清美が「治療と仕事の両立支援~企業と医療機関の連携による就労支援~」の演題で講演しました。若年性認知症についての概要、支援体制、治療と仕事の両立支援についてセンターの支援内容、若年性認知症事例への支援方法について説明しました。

第3部は、産業保健相談員 松本直子が「健康寿命を延ばすにはこんな運動が効果的!知って得する運動のポイント」の演題で講演しました。実際に身体を動かしリフレッシュしながら、健康寿命を伸ばす効果的な身体活動、運動のポイントを学びました。

最後に短い時間ではありましたが、ディスカッションを行いました。多くの職種の方が参加していただいており、医師の方から「事業場の産業医の方は、抱えこまないでまず認知症の専門医につないでほしい」との意見がでました。また、支援をしている方からは「当事者の方の話しを聞いて、はっとすることがあった。本人の困りごとを、家族と支援者で決めており、当事者の声を聞いていなかったことを痛感した。」との感想をいただきました。

第1回:令和4年5月20日

「取組み実践企業から考える広島の治療と仕事の両立支援の現状と課題」をテーマに2部構成のWeb形式で開催し、26名に参加していただきました。

第1部は地元企業で先駆的に取組みをされている株式会社フレスタホールディングス グループ管理本部 本部長 渡辺裕治さんに、「健康経営実現のための従業員支援~働きやすさと働きがいの向上に向けて~」の演題で、「働きやすさとは?」「働きがいとは?」について具体的事例を挙げて講演いただきました。参加者からは、「企業の具体的取組みを知ることができて参考になった」との感想を多くいただきました。

第2部として、広島県内企業8,700社より抽出した1,000社に対して行った治療と仕事の両立支援についてのアンケート結果の発表を、産業保健相談員 大塚文が行い、その後、質疑応答を行いました。

令和3年度

第8回:令和4年2月15日

シリーズ最終回の第8回は、二人の外部講師をお迎えして、「職場復帰に必要な車の運転」をテーマに開催しました。

始めに、広島県警察本部交通部運転免許課 安全運転相談係より、「適正検査をする立場」から講演いただきました。

普段お話しを聞くことがない警察の方から、運転免許取得に関する規定や、運転免許の欠損事由について、平成14年以前の道路交通法から、平成13年改正道路交通法(平成14年6月1日施行)への変更点など、興味深いお話しを聞くことができました。

質疑応答では、「病気になったら免許センターに届けないといけないのですか?」など具体的な質問に答える形式で、分かりやすく一問一答形式で進めました。

続いて、「訓練する立場から」、地方独立行政法人広島市立病院機構 広島市立リハビリテーション病院 リハビリテーション技術科の方より、ご講演いただきました。

運転支援に関わっておられる作業療法士の立場から、運転再開支援、職場復帰支援において、認知機能障害に対する実践の流れを説明していただきました。

また、高次脳機能障害の方への運転支援や、運転補助装置についてもご説明いただきました。

高次脳機能障害の方の職場復帰では、困難事例も多く、そのため、実際に現場では、どのような支援が行われているかを知る機会となりました。

第7回:令和4年1月18日

第7回は、(独)高齢・障害・休職者雇用支援機構広島支部 広島障害者職業センター、上席障害者職業カウンセラーを外部講師に迎え、「就労支援機関が両立支援を語るPart2~メンタル不調者の支援を通して~」をテーマに講演をいただき、産業医、保健師、企業の衛生管理者等多職種の方21名参加いただきました。今回は、感染拡大状況を踏まえ、Webで開催しました。

講演では、企業への支援、リワーク支援、ジョブコーチ支援等、施設の支援内容をご講義いただき、その後、リワーク支援の事例をあげ、本人の様子、具体的な望まれる支援内容・方法、企業との調整について、ディスカッションしました。

「メンタル不調者に対する対応は企業にとっても大きな課題であり、障害者職業センターの業務内容を知ることができ勉強になった」との感想もいただきました。

第6回:令和3年12月7日

第6回は、国立吉備高原職業リハビリテーションセンター職業訓練部訓練第一課 課長を外部講師に迎え、「就労支援機関が両立支援を語るPart1~オーダーメイド型休職者訓練の事例を通して~」をテーマに講演いただき、9名の方にご参加いただきました。

講演では、県外の施設であることもあって、把握できていない「国立吉備高原職業リハビリテーションセンター」の施設の概要を把握したり、実際に支援しているケースを紹介をしていただき、事例検討しました。

「障害者職業能力開発校」は全国に2施設あり、吉備高原職業リハビリテーションセンターはその1つになります。様々な支援施設を知る機会となったと声を頂きました。

第5回:令和3年11月16日

第5回は、「障害者雇用を考える~当事者の力と決定を支える」をテーマに、当センター産業保健相談員 大塚文が講演し、11名の方にご参加いただきました。

障がい者雇用の歴史や理念、事例紹介、社会制度等多岐にわたる内容を抑え、その後のデスカッションに活かしました。

第4回:令和3年10月29日

第4回は、事例検討会を開催し、8名の方にご参加いただきました。

事例は、地元企業で支援している方から、「企業の中にいるキャリアコンサルタントの立場で感じたこと」をテーマに事例発表いただき、その後、ディスカッションを行いました。

その後、参加者の中から、日頃業務をしていて感じる事や、困っていることなど、活発に意見交換をしました。

第3回:令和3年10月12日

第3回は、当センター産業保健相談員 大塚文が、「就労支援のための社会資源」をテーマに講演し、20名の方にご参加いただきました。

関係機関との連携が必須な両立支援において、多くの視点で「社会資源」の情報をまとめておく重要性を感じました。

デスカッションにおいては、参加者から、日々取り組んでいる活動・取組みを、事例を報告していただき、現場での困りごとを共有すると共に、講師より、支援のポイントを伝えました。

第2回:令和3年9月14日

第2回は、当センター産業保健相談員 大塚文が、「就労支援をどのように考えるか~両立支援を取り巻く政策・現状・課題~」をテーマに講演し、27名にご参加いただきました。

現場で長く就労支援をしてきた経験談を基にした講演は、両立支援を考える上で大変参考となったと好評で、ディスカッションでは、多職種の方の意見を伺うことができ、有意義なものとなりました。

第1回:令和3年8月3日

第1回は、外部講師(筑波大学人間系 八重田淳先生)を講師に迎え、「働くことの意義と課題~アメリカの状況を踏まえて~」をテーマに開催し、20名の多職種の方々にご参加いただきました。

八重田先生の講演では、「働くとは」「働く意義」という基本的なことを考え、その後、ディスカッションを行いました。

私たちにとって、生活の一部ともなっている「就労」に対して、改めて見つめなおす機会となり、時間がもう少しあったら良かったとの意見をいただきました。

初回導入のテーマとして、就労の意義を見つめ直し、次回へのテーマにつなげていく予定です。

</p<若年性認知症について専門的な症状などをお話しいただき、疾患への理解を深めていきました。<>