独立行政法人 労働者健康安全機構広島産業保健
総合支援センター


センター通信

産業保健相談員レター 2025年10月 ~「転倒予防に求められる客観的アプローチ」 評価と可視化の重要性~

2025.10.03

転倒予防に求められる客観的アプローチ ~評価と可視化の重要性~産業保健相談員 島谷 康司転倒は労働災害の中でも発生件数が多く、とくに中高年齢層の労働者においては、骨折や長期休業といった重篤な結果を招くことがあります。加齢に伴う体力の低下を考慮すれば、転倒予防はすべての年代に共通する重要な課題と言えるでしょう。 これまでの転倒対策は、床材の工夫や段差の解消、滑り止めの設置など、主に作業環境の改善が中...

産業保健相談員レター 2025年8月 ~「働く世代からのフレイル予防」 新たな取組み「特定健診+フレイルチェック」について~

2025.10.03

「働く世代からのフレイル予防」ー新たな取組み「特定健診+フレイルチェック」について―         産業保健相談員 木村 要子人生100年時代を迎え、願わくばいつまでも元気に活動し、家族や友人、地域の人たちとつながり、社会参加しながら毎日を送る、そんな高齢期を送りたいと思う方は多いはずです。そのためには、「フレイル(虚弱)」の予防・対策が重要なカギとなるため、現在、国をあげてフレイル対策に取り組...

産業保健相談員レター 2025年7月 ~職場に潜むアンコンシャス・バイアス~

2025.10.03

職場に潜むアンコンシャス・バイアス森田由美子「配慮したつもりが、相手のやる気をそいでしまった…」そんな経験はありませんか?私たちは日々、無意識のうちに多くの判断をしています。その背景には、「アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)」が関わっていることがあります。バイアス自体は、私たちが迅速に判断するための働きでもあり、必ずしも悪いものではありません。しかし、それに気づかないままでいると、人間関...

産業保健相談員レター 2025年5月 ~「 三方よし」 と健康経営~

2025.04.30

産業保健相談員(産業医学担当) 吉岡嘉暁ある職場に仕事で行ったときに、「人財になるための7つの条件」 というポスターが事務所に貼って有りました。人材ではなく、人「財」でした。従業員みんなが成長して会社にとっての財産になろうということでしょう。上記のポスターにあった7つの条件を紹介します。1、明るく、元気なあいさつができる。2、言われなくても、自分で考え、行動できる。3、人がイヤがることでも、進んで...

産業保健相談員レター 2025年4月 ~【行動の活性化】 楽しい気分になれるような活動を増やしましょう!~

2025.04.30

産業保健相談員 加登朝子今現在、本当にしたいこと(食事会、カラオケ、スポーツ等)はできていますか?何も活動しないと、とんどん気が滅入ってしまいます。実は、私たちは何も活動しないと、どんどん心の元気がなくなってしまうのです。心の元気を保つためには、何もしたくなくても、今できる範囲で楽しさや達成感が感じられる活動を増やすことが大切です。皆さんは、気持ちと行動ではどちらが先でしょうか?比較してみると、ど...

産業保健相談員レター 2025年3月 ~「 メンタルヘルス不調者の職場復帰支援について 」~

2025.03.01

メンタルヘルス対策相談員 尾原寿子1. はじめに 心の健康問題で休業している労働者が円滑に職場復帰するためには、職場復帰支援プログラムの策定などにより休業から復職までの流れを明確にしておくことが必要です。厚労省は「職場復帰支援の手引き」を策定し、衛生委員会での調査審議、職場復帰支援に関する体制整備とルール化、教育の実施などにより労働者への周知を図るよう促しています。手引きの概要と各ステップにおける...

産業保健相談員レター 2025年2月 ~「レジオネラ症に思う」~

2025.02.03

 労働衛生工学専門員 大西修三 レジオネラ症の発生が年々増加しています。レジオネラ属菌による細菌感染症ですが、主には重症の肺炎を引き起こす「レジオネラ肺炎」で、1976年に米国のフィラデルフィアで開催された在郷軍人大会で、参加者の肺炎集団発生が起きて発見されたことから、在郷軍人病とも呼ばれています。近年では、毎年2000人強の感染者が報告され、数人の死亡者も発生しています。増加の原因としては次のこ...

産業保健相談員レター 2025年1月 ~「人と生活、そして生活の中の仕事」~

2025.01.15

 産業保健相談員(両立支援担当)大塚 文 Aさんは先生として子どもたちに絶大な人気のあった方だ。50代で脳卒中を発症し片麻痺が残り、上肢は廃用手、歩行には杖と装具が必要だった。責任ある立場であり自分でも復職検討には戸惑いもあったようだが、復職できるものならしたいという気持ちを医師に相談し、医療ソーシャルワーカーの私が担当することになった。 退院後暫くして一人でJRを利用し通院できるようになった。学...

産業保健相談員レター 2024年12月 ~「 カスタマー・ハラスメント防止対策」~

2024.12.06

産業保健相談員(労働衛生関係法令担当)井上 一弘1 はじめに 令和6年10月4日、「東京都カスタマー・ハラスメント(以下「カスハラ」と呼ぶ。)防止条例」が全国で初めて可決・成立し、令和7年4月1日から施行されます。 この条例では、カスハラを一律禁止することを掲げているほか、カスハラ防止に関する基本理念、各主体(都・顧客等・就業者・事業者)の責務、カスハラ防止指針の作成・公表などを定めています。罰則...

産業保健相談員レター 2024年11月 ~「二つの時間」~

2024.11.07

 産業保健相談員(社会学担当)磯田朋子家族社会学では、ライフサイクル論について学ぶ。 多くの人が似た年齢で結婚し、出産する。生まれた子どもは、どの子も同じく毎年一つ年をとり、6年経てば小学生になる。そして、成人して独立し、夫婦は老年期に向かう。多くが同じサイクルを辿ることに着目して、発達段階と各段階の課題が分析された。 一方、恐慌や戦争のなどの歴史的なイベントがそのライフサイクル影響を与えること、...
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