独立行政法人 労働者健康安全機構広島産業保健
総合支援センター


センター通信

産業保健相談員レター 2022年9月 ~産業医から見た健康経営時代の上司(管理職)像について(産業医学一口メモ)~

2022.12.27

産業保健相談員 吉岡 嘉暁1 過去の管理職の状況 過去の管理職の仕事は業務のスキルや営業マネジメントに重点が置かれていたと思います。職場の人間環境(コミュニケーション等)の快適さや業務環境の快 適さといったことのマネジメントはおろそかにされていたのではと思います。 社内ハラスメントは職場を内部から破壊する企業に対する敵対行為ですが、そういう認識は薄かったと思います。困ったなとは思いながらも、どう対...

産業保健相談員レター 2022年9月 ~酸素欠乏・硫化水素中毒災害防止について思うこと~

2022.12.27

産業保健相談員 大西 修三 ガス災害による死傷者が後を絶ちません。これらの業務上災害の現状をみると、酸素欠乏・硫化水素中毒で毎年10人前後の死亡が発生しています。また、一酸化炭素中毒でも毎年数人の死亡が発生しています。これらは、労働災害による死亡者ですが、労働災害以外の死亡者を加えますと更に多くの人が、死亡しているものと考えられます。 労働環境下における酸素欠乏場所、硫化水素発生場所では当該の作業...

産業保健相談員レター 2022年8月 ~『職域におけるがん対策について考える』~シリーズ4:化学物質による健康障害の注意点

2022.12.27

産業保健相談員 升味 正光 現在までに、我が国の職域で使用されている化学物質は、約60,000種類に達する。さらに需要の多様化に伴い、新規に導入される化学物質は増加し、年間1,000種類以上となっている。又、取り扱う化学物質の種類や取扱方法も多品種少量生産など頻繁に変化している。 一般的に化学物質は、危険性や有害性を持つものが多く、これらにより生じる健康障害は、高濃度ばく露後短時間で発症する急性中...

産業保健相談員レター 2022年8月 ~健康経営とt検定(産業医学一口メモ)~

2022.12.27

産業保健相談員 吉岡 嘉暁1 健康経営と健康統計 「健康経営」は、企業が自らの経営理念に基づいて、職場環境や従業員の健康保持・増進に重要な経営戦略として積極的に取り組むことにより、職場の活力向上や生産性の向上、人材の確保などにつなげていく一連の新しい取り組みです。 健康統計(産業保健統計)は、業務環境も含めた社内の健康状態の把握・評価や健康経営のPDCAを回していく実践活動に必要な基礎ツールです。...

産業保健相談員レター 2022年11月 ~表情は伝染する:笑顔の効果~

2022.11.27

産業保健相談員 加登 朝子 「笑顔」は大きなチカラを持っています。 気持ちを伝えるためには、言葉だけでなく、話し方や表情、姿勢などの非言語のコミュニケーションが大きく影響します。より良いコミュニケーションをとるためには、言葉以外の要素がとても大きな役割を果たします。 こうした言葉以外の要素は、オンラインで交流することが多くなったコロナ禍においてもさらに重要です。平板な画面に映った相手の顔を見ながら...

産業保健相談員レター 2022年11月 ~健康経営と 「人財になるための7つの条件」(産業医学一口メモ)~

2022.11.01

産業保健相談員 吉岡 嘉暁 私が嘱託産業医をしている企業では、特殊健診である有機溶剤健診を実施しており、検診結果が返って来たときには管理判定(就業措置等の判断)を産業医として行っています。特殊健診そのものには従事したことがなかったので、知識を深める為に企業の特殊健診に時々実際に従事して学習しています。ある職場の企業健診に行ったときに、「人財になるための7つの条件」 というポスターが事務所に貼って有...

産業保健相談員レター 2022年10月 ~10月18日は統計の日です(産業医学一口メモ)~

2022.10.01

産業保健相談員 吉岡 嘉暁 統計の日にちなんでの話題提供です。統計に親しんでいただければと思って書いてみました。健康統計は健康経営の必須ツールです。健康経営を社内に定着させることは、産業保健スタッフのミッション(使命)でもあると考えています。 統計に親しんでいただく為に、今月17日に統計WEB研修会(広島産業保健総合支援センター)を計画しています。その案内をこのメモの最後にしていますので、時間が許...

産業保健相談員レター 2022年10月 ~「パワーハラスメント防止対策」企業は何から始める?~

2022.10.01

産業保健相談員 尾原 寿子 令和4年4月、労働施策総合推進法の改正に基づく「パワーハラスメント防止措置」が中小企業にも義務化されました。私は産業保健相談員として中小企業を訪問していますがパワハラ問題に対してどう対応していいのかわからない、またある大企業では社内のコンプライアンス相談の中にはパワハラ相談が多い等今や企業規模に関わらず急務の課題と言えます。では何から取り組んでいけばいいのでしょうか。 ...

産業保健相談員レター 2022年9月 ~『職域におけるがん対策について考える』~シリーズ5(最終回):事業主、産業医、産業保健スタッフの役割

2022.09.27

産業保健相談員 升味 正光 本題の職域におけるがん対策とは、これまで4回のシリーズで述べた通り、職業がんの原因並びにその対策について、3者間で協議することが妥当と考える。 我々産業保健スタッフは、作業者が毎日安全・安心な気持ちで働き続けさせることができ、しかも労働によって生じる病気をゼロとする労働衛生管理の体制づくりを最終目標としている。副題(シリーズ1~5)とした職業がん対策については、各職域で...

産業保健相談員レター 2022年8月 始まりは1981年 -振り返って思うこと-

2022.08.01

産業保健相談員 大塚 文 私にとって、1981年は2つの意味で特別な年である。1つはソーシャルワーカーとして就職したこと、もう1つは「国際障害者年」である。 入職した九州労災病院のリハビリテーション科では、働いている患者一人一人について、労働災害・私傷病を問わず、復職や新規就労が検討されていた。作業能力・職場環境のみならず、心理・社会・経済状態をアセスメントし、傷病から起こる生活や仕事上の問題とそ...
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